今日は、(以下アプリ名等は App Store へのリンク)Best!価格 でおなじみの FrontierOne Software が開発した iPhone 向け英語学習アプリ VOAニュースファイル Vol.1 と、同 Lite をご紹介します。
アプリの内容は、アメリカの国営ラジオ局 Voice of America の英語学習者向け番組「VOA Special English」の中で放送されるニュースを題材にリスニング学習を行う、というもので、有料の VOAニュースファイル Vol.1 が、ニュースが 30 個入って 1000 円、Lite はニュースが 2 個で、無料になっています。
どちらもまだヒットには至っていませんが…と書こうと思って今 App Store を見たら、有料版は「教育」カテゴリー で 1 位、無料版は 総合 で 9 位となっています。頑張ってますね。
で、万が一このブログの愛読者の方がいたとすれば、「数週間も更新をサボってていきなりなんだ」とお思いになると思うので、簡単に経緯を説明させていただくと、僕が以前 Best!価格 の評価 という記事を書いたのを、開発者の方が覚えてくださっていて、「新作ができたのでこっちも見てみてくれ」ということでご連絡いただいた、という次第です。
というわけで、まずはじめに「VOAニュースファイルの使い方」を書きたいと思います。なぜ使い方を説明するかというと、VOAニュースファイル には現在のところ、オンラインマニュアルや詳しいヘルプなどは用意されていないからです。…いや、マニュアルなんて必要なモノではないのですが、最初はどうしても手探りになってしまうと思うので。
VOA ニュースファイル の使い方
VOAニュースファイルでは、冒頭で述べた VOA のニュースひとつが、学習の基本単位になっています。ニュースの一覧は、画面下部の「ニュース」タブ から確認することができ、このうちのひとつをタップすることで、学習メニュー画面に移動し、学習を開始することができます。
主な学習項目は、
- 実際にニュースを聴いて、理解する「キーワード・リスニング」
- 3 つの Q&A に答えて理解度を確認する「理解度チェック」
…という、たったの 2 つです。ニュース 1 つごとに、これらを繰り返していくことになります。
キーワード・リスニング
キーワードリスニングの画面に移ると、ニュースに登場する キーワードの一覧 と、画面下部に 音声プレーヤ が表示されます。
キーワードの一覧
キーワードの一覧では、キーワードをタップ することによって、そのキーワードを「マイ・キーワード」に登録することができます。登録したキーワードは、画面下部の「マイ・キーワード」タブ からいつでも確認することができます。
またキーワードの一覧には、そのキーワードの日本語訳を表示させる機能もあるのですが、最初に画面を表示したときにはオフになっており、画面右上の 「日本語オン」ボタン を押すとオンにできます。
よって、
- キーワード一覧を確認して、知らないキーワードをマイ・キーワードとして登録していく
- 日本語訳を表示して、知らなかったキーワードの意味を確認する。
- 知っていたキーワードに関しても、誤って覚えていないか確認し、誤って覚えていたなら、マイ・キーワードとして登録する
…といった流れで使っていくと、効果的ではないでしょうか。
ニュースを聴く
次に、音声プレーヤの再生ボタンを押すと、実際にニュースを聴くことができます。
学習メニュー画面の説明は、まずキーワードの確認を行ってからリスニングに入るべき と読み取れますが、キーワードは一般的な単語と違い、ニュースの内容に深く結びついたものですから、最初にキーワードだけ理解する、というのは、かえって難しい面もあるかな、と思います。
ですので、
- とりあえずニュースを聴きながら、知らないキーワードをチェックしていく
- キーワード一覧で、知らなかったキーワードをしっかり確認する
- もう一度ニュースを聴いて、内容を理解する。理解できなければ、2 に戻る(次は理解度チェックがあるので注意!)
…という使い方もありではないかと思います。
ただし、本当にリスニング初心者だけど挑戦したい! という方は、やはり(ちょっと想像力がいりますが)ニュースを聴く前にキーワードをしっかり確認しておくやり方がいいでしょう。それも自信がない、という方は、「ニュース全文訳」(日本語)を読んでから、上記の学習作業に入る、という手もあるかもしれません(理解度チェックは英語で行われるので、多少の意味はあるかと)。
「ニュース全文」(英語)メニューは、キーワードとして取り上げられていない部分の確認など、+α の学習に役立つと思います。
理解度チェック
ニュースの内容が理解できた、と思ったら、理解度チェックに進みましょう。
理解度チェックでは、3 つの Q&A に画面下部の TRUE/FALSE ボタンで解答していき、最後に画面右上の チェック ボタンを押すことで、正誤を確認することができます。間違えた問題の問題番号の上には、WRONG バッジが表示されます。
ここは 全問正解するつもりで 行きましょう。自信がなければ、ここでも音声プレーヤが表示されていますので、再度ニュースを確認してみましょう。必要であれば「キーワード・リスニング」に戻って。まあ僕がサクッとやったら、しょっぱなから 1 問まちがえちゃいましたけどね…(恥)
あとから問題番号をタップすると、解答をスキップしたり、自分の解答を確認したりできるのですが、最初だけ、TRUE/FALSE で解答するだけで、次の問題に進んでくれます。非常に細かい心配りです。
全ニュースの学習を終えたら
- マイ・キーワードを確認してみる
-
これまでに登録したマイ・キーワードは、画面下部の「マイ・キーワード」タブ から確認できます。
「キーワード・リスニング」の画面と同じく、日本語表示のオン/オフを行ったり、キーワードをタップすると、そのキーワードが含まれているニュースの「ニュース全文」にジャンプすることができます。
これまでに登録したキーワードを振り返り、「それ何の話だっけ?」と思ったニュースをもう一度確認してみるといいでしょう。
- もういちど全ニュースを聴いてみる
-
「ニュース」タブ をタップすることで表示できる、ニュース一覧画面の右上には スピーカーボタン があります。
これをタップすることで、VOA ニュースファイルに登録されている全ニュースを通しで聴くことができます。
まだニュースの内容は理解できるでしょうか? 分からなかったら、「マイ・キーワード」タブや各ニュースの学習画面を使って、復習しましょう。
「Cro-Mag Rally」が出てきた Apple の CM を覚えてらっしゃるでしょうか。
僕は、題材に Cro-Mag Rally を使っていること以外は、この CM を非常に気に入っています。なぜなら、この CM に出てくる「iPhone があなたの毎日を変える」という言葉は正しいと思うし、アプリ開発者もそうしたものを目指していかなければならない、と思っているから。
なぜ Cro-Mag Rally ではダメかというと、(僕はゲーム大好きですが、やはり)ゲームで毎日は変わらない(少なくともいい方向には)から。また逆に、「何 10 項目もの機能を自由にカスタマイズできて、パソコンみたいにバリバリ使えますよ」いうアプリもちょっと違うな、と思う。
僕が本当に期待しているのは、普通の人が、それこそアプリを起動したらすぐ、新しい情報を身につけられたり、今まで面倒で出来なかった情報管理を行う(もちろんこれらは、携帯やパソコンでも出来るのだけど、携帯アプリ並の気軽さ+パソコン並のパワー+タッチインターフェース、で、これまでなかったぐらいに敷居が低くなる)ことで、毎日の生活を向上できる、あるいは、少なくともそのきっかけになるアプリです。
「VOAニュースファイル」は、まさにそういったアプリのひとつで、ダウンロードが終わった瞬間に、これまでに書いたような学習の体勢が整います。例えば学習ソフトをパソコンにインストールしたり、例えばリスニング CD とテキスト・ノートを用意するような気合は必要なく、「ちょっと英語の勉強をしてみるか」程度の気持ちさえあれば、すぐに始めることが出来ます。
ぜひ、お試しあれ。→ VOAニュースファイル Vol.1 /Lite
「VOAニュースファイル」は、英語教材としての存在意義ももちろんありますが、1つの iPhone アプリとして見た場合も、非常にこだわりの感じられるアプリです。少なくとも App Store の「教育」カテゴリー内の国産アプリでは初めて(いつもながら、ごめんなさい)の、「iPhone アプリとして恥ずかしくないアプリ」の1つといえるでしょう。その点についても書きたかったのですが、長すぎるので、また次回。