AT&T、独自の3Dブラウザ(Pogo)を作成中。その意図は? — TechCrunch Japanese:
ブラウザ戦争に参戦するなんて、すごく勇気あるか、あるいはすごくバカな企業かのどちらかだ。でも、規模は小さいものの、それが今まさにAT&Tがやっていることなのだ。デモを見せてもらっただけだけれど、今はプライベートベータ版(2週間ほどで招待状がもらえるはず)のPogoはMozillaを基にした3Dブラウザだ。PogoはAT&Tの事業開発グループのプロジェクトで、トロントを本拠地とする企業、Vizibleの3Dレンダリングエンジンを使っているため、他のブラウザとは見た目がとても違っている。
「3D ブラウザ」と聞いて、一瞬、バーチャル世界のキャラクターを動かして、道中にアイテムっぽく落ちているウェブサイトにアクセスする というイメージが浮かんだ(=3D に対するイメージが古い)のですが、まったく違うようです。
Pogo は堅実…すぎる?
Pogo は、Mozilla ベースのブラウザで、ウェブページを閲覧するぶんにはふつうのウェブブラウザと変わらず。ただ、検索機能やブックマーク機能には、アニメーション付きのリッチな 3D UI が用意されていて、検索結果やブックマークに視覚的にアクセスできる、というのが特徴のようです。
そうするとこれは、(それ以前の既視感をスルーすると、…笑)最初に想像した、あさっての方向へ行く「斬新」なプロジェクトとは逆の、時代の流れにきっちり乗っかった手堅いプロジェクト のような気がします。
記事中にも、
これまで見てきたインターフェースのトレンド、特に検索分野では、ウェブをより豊かでより視覚的な方法で見せることは、もっと大きな流れの一部だということは間違いない
…と書かれていますが、僕は、コンピュータの性能がどんどん上がっている以上、検索やウェブに限らず、あらゆるソフトウェアが情報をよりリッチに、視覚的に見せる、ということは可能になってきているし、また、その要求はさらに大きくなってくるだろう、と思っています。
だから、「その見せ方で大丈夫か」という心配はあっても、それ以外の理由で失敗する気がしないのです。(※ 競合がわらわら出てくる、という心配はあるか)
Pogo は Leopard 時代の Mac アプリの目指す道か
記事を読んでもう一つ思ったことは、Pogo の「これまでのアプリと変わらない部分も多いけど、有効と思われる部分には、積極的にリッチな UI を採用する」というようなやり方は、Apple が Leopard 以降の Mac アプリで開発者たちにやってもらいたいと思っていることに、とても近いのではないか ということです。
Leopard で 提供された Core Animation フレームワークは(3D ではないけど)まさに、データや UI アイテムをよりリッチに、視覚的に見せるための仕組みです。
そして、Pogo との大きな違いは、開発者がアイデアと技術力を持ってさえいれば、今から、すべてのアプリケーションで 、Pogo と似たようなことができる、ということです。
もし、より視覚的な UI が重要視される時代が本当に近づいてきているとすれば、Mac プラットフォームはすでに戦闘態勢が整っている と言うこともできるかもしれません。そしてもちろん、iPhone/iPod Touch も …。
※ Pogo の招待状リクエスト、しておきました。実は僕が狂喜乱舞した Evernote の招待状も届いたのですが、まだ試せていません。試せたら、それについてまた何か書きたいと思います。